シーモアさんと、大人のための人生入門

こんにちは。

このブログが、告知だけのものになってしまうのはつまらないので、最近観た映画のことを少し。

イーサン・ホークの監督作品、「シーモアさんと、大人のための人生入門」という映画を観ました。

シーモアさんは今89歳、もともと一流のピアニストだったけど、途中で音楽の商業的側面だったり、ステージの緊張感に耐えられなくなり、今はステージから解放されて、自宅でピアノ教室をして、とても幸せに暮らしている。

淡々とドキュメンタリー調にシーモアさんの半生を追っていくストーリーかと思ったんだけど、途中でイーサン・ホークが出てきて2人でじっくり話をするシーンがとてもよかった。

イーサン・ホークは俳優たちがお金のためばかりに仕事をして演技を磨こうとしなかったり、映画の芸術性と商業的な成功が比例せず、商業的な成功に虚しさを覚えているということをシーモアさんに打ち明ける。

なんとなくイーサン・ホークってずっと売れっ子のイメージがあって、どんな映画を作るんだろうって思っていたんだけど、静かで優しくて、何かを作ろうと思っている人を励ましてくれるような作品でした。

お金や名声だけでは人は幸せにならない、ではどうしたら幸せに、美しく人生を送れるだろうか?と質問するイーサン・ホークと、それに答えるシーモアさんが素敵だった。

私も刺繍作家として独立して、そろそろ7年がたつ。最初はがむしゃらに目の前のことに向かっていたけど、最近自分の表現したいことはなんだろう?とじっくり考える機会が多くなった。テーマはその時によって違うけど、大まかに言えば、人生の豊かさとか、普段の生活の中で見つける小さな美しさみたいなことを自分のフィルターを通して表したいんだと思う。

旅に出たり、いろんな人と関わる中でそんな美しさに出会えたらいいな。本を読んだり映画を観たりするのも、まだ自分の知らない風景だったり、出会っていない居心地の良い場所を探すような、そんなことに近いのかもしれない。

シーモアさんは、音楽と自分が調和することがとても大切だと言っていた。良い演奏ができると、人生が豊かになる。人生が豊かだと、ハッピーに良い演奏ができる。みたいな良い循環について話していた。

それは刺繍にも言えるのかも。良い経験を通じて良い作品を、良い作品を作ることが良い経験を生む。そんな循環になったらハッピーだなあと思った。

イーサン・ホーク、また映画を作って欲しいな〜。

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